令和の米騒動
令和の米騒動。目に見えて起こっていたことは店頭での米不足、価格高騰ですが、それ以上に「消えた米」というような騒ぎと煽るような報道が印象的でした。
まずは冷静にデータをみてみましょう。
農水省のHPからコメの需給についてのデータをみてみると、一昨年から受給ギャップが発生、拡大していたことが分かります。

農水省のHPから
需要量と生産量の折れ線グラフをみると、令和5年に21万トン、令和6年に41万トン、合わせて62万トン供給が不足していることが分かります。
需要と供給のバランスで価格が決まるのは経済学の大原則。これは価格があがるのも仕方がない。つまりは需要予測の間違い、減反政策の行き過ぎということになります。
要因はインバウンドの増加などがいわれています。確かに日本に旅行にお越しになったら日本の食事、お米を食べたいですよね。
一時、指摘されていた中間業者による抱き込みみたいな話もゼロではないのかも知れませんが主要因ではないことは明らかだし、JA悪者説が一時強く伝えられていたのには違和感があります。
現在は小泉ジュニアさんが颯爽と登場して事態を収めているという展開。筋書きがあったのでは?と勘繰る向きがあるのもやむを得ない感じがします。
さて、備蓄米の供給は一時的な平均価格の引き下げには繋がるにしても、原因が供給不足であれば、需要が減るか生産量が増えない限り、今後も問題は続くことになります。
米国の関税政策への対応と絡めて輸入米を増やすという策が取られるという観測もありますが、もともと食料自給率が低いことが食糧安保の観点からも指摘されている中で、主食であるコメを輸入に依存することに賛成する国民は少ないのではないでしょうか。
政府は「需要が堅調だった」という言い回しですが、需要予測や減反政策の見直しは必須のはず。恐らく水面下で増産に向けて手を打っていると思いますが、どこまで回復できるか。農家さんが増産したいと思える環境にできるのか。
ベースとなるもの、軸となるものは、中長期的なビジョンをしっかり持たないといずれ苦慮することになる。
瑞穂の国に暮らす私たちにとって他山の石とするにはあまりにも重いテーマです。

数年前の実りの秋。友人の田んぼを撮らせてもらったもの
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。