酵素の誤解を解く その6|どれを選べばよい?
どれを選べばよい?という問いに答えるのはなかなか難しいです。
いうまでもなくどんな商品を買うかは本人の自由ですし、商品の優劣は何を基準にするかによって変わるのであまり意味がないからです。
ググってみた
そう思いつつ、今回のテーマに沿ってどんな酵素製品があるのか、ググってみました。
一番上の広告のところに酵素サプリのまとめサイトがあり(そもそも「酵素サプリ」という言葉が僕としては受け入れづらいのだけれど…)、そこにあった「酵素サプリを選ぶ3つのポイント」では、①非加熱であること、②酵素の種類の多さ、③酵素以外の成分、とのこと…参りました(苦笑)。僕の見解と真正面からぶつかる感じです。
くれぐれも誤解して欲しくないのは僕がこの「酵素の誤解を解く」シリーズでお伝えしたいのは、説明する理屈が間違っていると後々業界全体が困りますよ、ということ。当該製品そのものを否定している訳ではありません。
そのうえで、順にみていきます。
①非加熱かどうか
これは前回のテーマでもあり、この「酵素の誤解を解く」シリーズの根幹にもなっているところ。繰り返しになりますが、生体内酵素は体内の化学反応に深くかかわっている不可欠なタンパク質ですが、それぞれ必要なところで合成されるもの。食べ物のなかの酵素(=タンパク質)は消化の際、必ず失活します。していないと問題なのです。つまり加熱することで酵素が失活しても関係ないということ。同様に酵素活性を競うことも意味はないと思います。
②酵素の種類の多さ
これは実際には原料植物の種類の数のことです。これを酵素の種類と言ってしまう辺り、混同を意図的に起こさせようとしているのではないか、とさえ思ってしまいます。
僕も一定の種類があることは良いことだと思っていますが、100種類とか、300種類と数を競うことの意味は分かりません。
ただ、弊社でいえば約60種類の原料を揃え仕込みをするのは大変なので、その何倍もの数を仕込むのは率直に言って労力として凄いと思います。関わっている方々に敬意を表したい。ウチでは出来ません。
③酵素以外の成分
弊社の場合、原料から抽出したエキスを発酵させてそのままボトリングして製品としていますが、酵素サプリと言われるものには更に様々な原料が配合されているようです。
私たちは健康をつくるのは日々の食事や生活習慣が大切だと考え、酵素はそのお手伝いをするものという位置づけです。酵素をお伝えすると同時に日々の食事を整えて欲しいというメッセージをお伝えしています。
酵素サプリと呼ばれるものは、健康を保つためにさらに必要なものがあるという商品設計の考え方なので是非はありません。
ただ、「酵素サプリ」という名称から、もし酵素に期待をしてご購入されるとしたら、他のものが配合されている分、酵素の量は少ないかも知れません。商品表示ラベルなどを確認されると良いと思います。
弊社の商品ラベルを見ていただくと抽出に用いる甜菜糖のほか原料の野菜や果物のみが並んでいます。
定義の曖昧さを超えて
今回のテーマからは、生体内酵素と食品酵素が混同されていることのほかに、食品酵素の「定義の曖昧さ」というもう一つの問題がみえてきます。
酵素の定義が明確でない以上、古くから作っているからと言って「余計なものが入っているから酵素ではない」との主張は独りよがりに過ぎません。お客様が酵素と認識すれば酵素と呼ばれます。
だとすればなおのこと、メーカーも販売に関わる人も誤解を招かないように留意しながら、しっかりと酵素や自社製品や商品をお伝えしていきたい。
統合医療の日本の先駆者である帯津先生が「健康食品は究極のところ、作った人の顔をみて選ぶ」という主旨のことを書いておられます。 ある意味では御縁みたいなこともあるかと思っています。良いご縁をいただけるよう尽くしたいと思います。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。