酵素の誤解を解く その1|生体内酵素と食品酵素

 

 酵素

酵素の誤解とは…

弊社で製造している酵素飲料は植物原料から糖の浸透圧を利用してエキスを抽出、原料由来の酵母や乳酸菌によって発酵、そして熟成させる日本の伝統的な発酵飲料です。
酵素飲料には作り方が幾つかあって、かつては日本全国で数社(私の承知していたのは5社ほど)が、それぞれに特徴を持ちながらいずれも地道に、真面目に製造してきました。

約10年ほど前でしょうか、やや酵素ブームのようなことが起こって、新規参入のメーカーもあって色んなブランドの酵素が出てきました。

業界全体の売り上げ規模は大きくなったのですが、法律に違反するような表現、あるいは科学的にみて合理的でない説明をして販売される例が散見されるようになり、実際、取り締まりをうける業者もあったり、TV番組で業界そのものが批判を浴びるというケースも出てきました。
代表的な例が「体内酵素の不足を補う」「酵素を補給する」という言い回しです。

この言い回しはなぜいけないのか。僕自身も折に触れて酵素飲料についての誤解を解くようにブログやSNSで発信しています。

かなり前になりますが、こんなツイートをしたんですよね。

この内容に尽きるのですが、これは思うに業界側に問題が多い。分かりにくいことを意図的に放置していたり、特に販売の場面やネット上で間違った情報を発信しているケースが散見されるからです。

このツイートに対していくつかコメントをいただいたのですが、その中に、

というのがありました。業界の一味として(笑)僕にも責任の一端がある。

ということで、ブログで少しずつお伝えしてみようと思います。今までも少しずつ書いてたんだけど、差し障りがあったりして、あまりはっきり書いてないんだ。なるべく分かりやすく、はっきりと…(←自分に言ってます)

2つの「酵素」がある

まずは基本的なことから。ここを押さえないとすべてが混乱します。

酵素を辞書的にいうと「生体内で起こる化学反応に対して触媒として機能するタンパク質である。」ということになります。

「生体内で起こる化学反応」とは、ここではザクっと新陳代謝のことと考えても良いです。食べ物を食べた時の消化・吸収、あるいは呼吸、、、とかね。
「触媒」は、特定の化学反応の反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいいます。この辺りは生化学の本に詳しい。wiki先生でも良いです。

押さえておいて欲しいのは、特定の機能を持つたんぱく質だということ。混乱を避けるためにこれを生体内酵素といいますね。つまり生体内酵素=タンパク質です。

タンパク質はアミノ酸がつながってできたもので、一つの分子は私たちの体や目に見えるものから比べると小さいですが、分子としては大きなもので高分子化合物と呼ばれます。身体に入る際には失活してバラバラにされてしまいます。

一方、僕の会社で作っている酵素(混乱をさけるために食品酵素といいますね)は、冒頭でもお伝えした通り野菜や果物などのエキスを発酵させたもの、なのです。食品酵素=発酵エキス

酵素にはタンパク質である生体内酵素植物原料の発酵飲料である食品酵素の2つの意味がある。全く別物が同じ名前で呼ばれてしまっている。

今日はまずはここの部分をご理解いただければと思います。

 この記事の投稿者

福士宗光

父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。

健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 follow us in feedly

ページ最上部へ