納豆息子
朝は、毎日、納豆ご飯とお味噌汁。子供の頃から納豆が大好きだったみたい。母に「納豆息子」と呼ばれていた時期もありました。
母は岡山の出身で僕が2歳の頃、北海道に来るまで、納豆を見たことも食べたこともなかったらしい。糸を引いてるって、お店にクレームつけたという逸話が残っています(笑)
当然、母は納豆嫌い。でも体にいいってことに納得して僕には積極的に食べさせてくれ、本人も無理して食べていたようです。
食は、本来、本能的なもの。ただ、物や情報が溢れている現代、理性や知性で判断することも大切。特に先人の知恵に学ぶことを忘れないようにしたい。食は何代にも渡る蓄積だから。
納豆の効用について|納豆のお話(その2)
昨年(2024年)の5月連休明けに強い腹痛を訴え、母が救急搬送されました。
それまで通院もなく、日常、薬は飲んでいない人でしたが、とりあえずの処置をしたあとは手の施しようがない、余命いくばくもないとのこと。90歳を過ぎていましたので仕方のないことではあります。
本人も父も望み、自宅療養の体制を整えました。静かに過ごしていましたが、だんだん食が細くなっていくんですよね。ついに何も口にしなくなってしまった。
ふと、かつて父が入院していた時、毎朝、母と一緒に納豆ご飯を食べていたことを思いだし、また一緒に納豆ご飯を食べようと準備すると、少しですが食べてくれるようになった。
しばらく続いたが、やがて箸をつけないことも。「今でも本当は納豆は嫌いなの?」と聞くと「うん」と。僕のために無理に食べてくれていた…いつまでも母だし、僕は息子なんだなぁと。
自宅療養は3か月程続きましたが厳しい状況になり、一か月程、施設で療養。
毎朝、施設に寄って顔をみてから会社に行っていましたが、最期には立ち会うことができなかった。そばに居た父や僕の妻も気づかないほど穏やかに旅立ったそうです。
92歳。最期まで母らしく生きてくれました。僕は今も毎朝、納豆ご飯を食べています。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。