価格について思うこと
少し前のブログで、震災で酵素の瓶を変えることを余儀なくされた際に実質値下げをしてしまったということを書きました。
そこで感じたことを思い返して残しておこうと思います。
感情に流される…
代表的な緑ラベルについて、具体的にみてみます。
震災前は500㎖入りを2本セット(つまり1ℓ)で6,800円(税別)で販売していました。これが震災後、720㎖で4,500円(税別)となりました。
内容量が違っているので分かりにくいですが、単位量あたりにしてみると一目瞭然です。一日飲用推奨量50㎖でみてみると…
販売価格(税別) | 50㎖あたり | |
500㎖入り×2本 | 6,800円 | 340円 |
720㎖ | 4,500円 | 312.5円 |
約1割の値下げになってしまった。
販売単位量が減って割高になる例は多いのですが、普通、割安になることはありません。値下げの根拠にしたのは、販売単位当たり瓶が2本から1本になり、そして化粧箱も廃止したことでした。
ただ、原材料価格はずっと値上がりを続けていました。震災直後、僕はなぜか値下げする理由を必死に探していたような気がします。
また、一日50ccを飲用推奨量としていて、720㎖で月に2本飲んでいただくことを期待していましたが、一日25cc程度で一か月を1本で持たせてしまうという傾向もみえてきました。値下げだけでなく販売量減少の要因ともなり、業績にはじわじわと効いていたと分析しています。
酵素は何年も、中には何十年も飲用を続けてくださるお客様に支えられています。値下げをしたから売り上げが増えるという商品ではありません。業績への影響は他分野がカバーしてくれて何とか推移してきましたが、冷静に考えると明らかな判断ミスですよね。
感情が物事を動かすのは間違いなくて、それは否定しないけど、感情には波がある。客観的な計算と掛け合わせて決めなくては…当たり前のことですが、その後、胸に刻みました。
不易
緑ラベルは発売時、500㎖×2本セットで6,400円。それを一度だけ6,800円に値上げをさせていただいた。
そして震災後に720㎖で4,500円にした。40数年で価格変更はこの2回だけ。原材料費や固定費の上昇を少しずつ売上を増やすことでカバーしてきました。
マクロの視点で考えても、経済が持続・成長していくためには、本来、物価は少しずつ上昇していくことが望ましいのは、バブル崩壊後、デフレに悩む日本経済をみるとよくわかると思いますよね。
私たちが事業のテーマとする健康は不易なもの。商品の入れ替わりや価格の上下が頻繁なのはそぐわない。長く安定的に継続できる仕組みを維持することが信用にも繋がると思います。
商品やサービスをサブスクリプションで提供したり、プロセスエコノミーというようなマネタイズのポイントが従来とは違う動きも出てきています。価格もただ変わらずいれば良いという時代ではないのかも知れません。
なんにせよ僕たちの目的は健康生活のお手伝いをすること。あの時のように感情に流されず、長期的視野を保ちつつ時代に適応していきたいと思います。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。