長期熟成する意味

 

 健康, 酵素

2026年5月7日発行のヨガライフスクール機関紙『未来』485号に掲載されたものをこちらにも。

20年熟成酵素 始まりました

ケルプ研究所の酵素飲料は、糖浸透圧抽出法、重ね仕込み、自然発酵、長期熟成に特徴があります。

糖浸透圧抽出法は原料である野菜や果物を糖(ケルプ研究所では甜菜糖を使っています)と一緒に樽に漬け込み、糖の浸透圧を利用してエキスを抽出する方法。自然発酵はスターターと呼ばれる発酵のための菌を入れずに原料に由来する菌で発酵させること。いずれも昔から伝わる酵素飲料の伝統的な作り方です。

しかし、重ね仕込みと長期熟成はケルプ研究所が独自に取り組みを始めたやり方と言ってよいと思います。今回は長期熟成についてのお話しです。 

フレンチ・パラドックス

冠動脈疾患が多い欧米において、脂肪摂取量は他の国と変わらないのにフランスだけが冠動脈疾患による死亡率が低いのは、フランス人がたくさん飲む赤ワインのポリフェノールの抗酸化能によるのではないか、という説があり「フレンチ・パラドックス」と言われています。

赤ワインは、ちょっと高価な、しっかりめのものは何年か寝かしてから飲むとより美味しいとされています。では、寝かせて美味しくなったとき、「フレンチ・パラドックス」とうたわれる抗酸化能、つまり効果効能の方はどうなるのでしょうか?

抗酸化関連の文献を色々と調べるなかで目に留まった一節がありました。時間が経過するとポリフェノールが重合して赤ワインの抗酸化能が高くなるというものでした。
 発酵で抗酸化能が高くなる例はあるけれど熟成でというのは興味深いと思い、そして酵素はどうなのだろうと思ったのです。

長く置いたF&E酵素は赤ワインが美味しくなるのに似て、味が円やか(まろやか)になって飲みやすくなることを体験的に知っていたからです。

 「F&E酵素」は長く置くと円やかになります

私は、品質確認の意味もあり、賞味期限を過ぎた酵素を飲むことも多く、そういった古い酵素では瓶の中でエイジングが進み円やかな熟成感を味わうことができます。

充填前に発酵タンクの中で一定期間熟成していますが、瓶の中で長期間経過することでまた変化していくことをかねてから感じていました。

酵素は美味しいから飲むというものではなく、健康のために飲むものですが、おそらく昔ながらの自然な作り方ゆえの時間経過に伴う変化を感じていただければ嬉しいとも考えていました。

ちょっと古いビンテージワインのような感覚。ワインもウイスキーもしっかりしたものは時間をかけるほど深みを増す、このようなエイジングを酵素でも表現したいという想いを温めていたのです。

ただ、当時、保健所さんからは賞味期限を表示して欲しいという要請もありましたし、法律上は清涼飲料水に分類されるものであり、時間が長く経過したものを提供することにはメーカーとしてためらいもありました。しかし、円やかになるうえに機能性も高まるということが分かれば話は変わってきます。

そこでまずは、仕込んでからある程度年数が経っているエキスと新しめのエキスの抗酸化能を調べて比較してみたところ、タンクによって若干バラツキはあるものの、長く寝かせたものの方が抗酸化能が高い傾向がみえてきました。

こうして酵素を熟成することに機能性の面でも意味を見出し、幾つかのタンクを長期間寝かせておくことに取組み始めました。20年以上前のことです。

原料の野菜・果物の種類は一緒であっても、季節やその年によって質は同一ではありませんし、自然発酵という特性もあってタンクによるバラツキはなくなりませんので、本当に長期熟成が機能性の向上に繋がるのか、現在も色々な方法で長期的に確認していくことを続けています。

 『北海道酵素』での検証

近年では、秋の酵素として毎年ビンテージをつけて限定販売している『北海道酵素』でも熟成によって抗酸化能がどう変化するかを検証しています。

『北海道酵素』は、すべて北海道産の原料で、仕込み時期も毎年一緒ですからタンクごとのバラツキも小さくなると考えたのです。

 

現在、F&E酵素の賞味期限は製造日(充填日)から3年間としていますが、実際にはそれ以上長く保存しても異物混入などない限り傷むものではありません。このように長く置いても傷まないものは、一定の条件のもとで賞味期限の表示を省略してよいという食品表示の特例があります。

(※)食品表示基準第3条に、一般(業務用ではない)加工食品に表示すべき項目として、名称、原材料名、保存の方法、消費期限または賞味期限、内容量などが定められていますが、同条3項にはその表示を省略してよいというものが示されています。
その中に「飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓を付けたものを除く。)」というものがあり、F&E酵素はこれに該当します。 

『北海道酵素』ではこの特例に沿って賞味期限を省略し、瓶に詰めてからの長期間の熟成も楽しめるようにするとともに、時間経過で抗酸化能がどう変化するか、北海道科学大学や北海道教育大学のお力を借りて検証を継続しています。

現在のところ2021年から2024年までのサンプルできれいなデータも取れ始めています(詳細はまた別の機会にお伝えいたします)。

 二十年熟成エキスは最高峰の『鳳』に

 長期期熟成が良いといいましても全てのタンクを寝かせておくわけにはいきません。長期熟成するタンクは限られますが、現在は10年を越えるタンクが複数あり、これらの長期熟成エキスは少量ずつですが弊社の酵素にブレンドされています。

そしてついに20年を超える長期熟成エキスをブレンドできる準備が整い、最高峰の『鳳』へのブレンドを開始いたしました。

現在販売しているロットでブレンドをスタートしていまして、今後『鳳』には引き続き20年以上熟成させたエキスがブレンドされていくことになります。

ケルプ研究所の酵素は多種類の野菜や果物を原料に、自然発酵にかかわる原料由来の微生物と「時間」の共同作業によってつくられています。

長い時間から生まれた熟成感や深み、そして機能性を感じていただければ幸いです。

 この記事の投稿者

福士宗光

父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。

健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。

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