腰を低く

 

 その他

佐藤先生つながり

大学ラグビーと今の会社、双方でお世話になった故佐藤博先生。

ラグビー部での先生の記憶をブログに書いていたら、北里大学時代の教え子の皆さんも読んでくださって、色々やり取りさせていただいています。
やはり研究の場でも「曲がり真っ直ぐ」「主体的に」とご指導されていたらしい。

北里の皆さんとは、もちろん学生の頃ご一緒した訳でもないのに、佐藤先生という共通の存在を通して、まるで同窓生のような感覚になってしまいそう。
ラグビー部では見られない部分も分かって、楽しい。

卒部記念のラグジャ。襟に佐藤先生のサインがあります

卒部記念のラグジャ。当時のファーストジャージ。襟に佐藤先生のサイン

 

さて、今日は、またの機会に・・としていた「腰を低く」について書いてみたいと思います。

グランドで繰り返し言われたこと

当時、練習内容は4年生が中心になって学生が組み立てていました。部長兼監督である佐藤先生は、時々、グランドに来てアドバイスを下さいます。

よく言われたのが「腰を低く」ということ。アドバイスと言えば「腰を低く」と「主体的に」しかなかったかも知れません。(ご参考:主体的に関わる

多くの競技で、特にコンタクトスポーツでは、重心を下げることは、強い、安定したプレーにつながります。

ラグビーの日本代表も身体の大きな外国チームと試合をする際、低いタックル、低いスクラムで戦いますね。そうじゃないと体格差で弾き飛ばされてしまう。

僕たちは高校の有力選手が集まるようなことはない、それどころか新入部員の半分くらいは大学からラグビーを始めるというチーム(僕自身もそう)でした。
身体に恵まれた選手が多い訳ではありません。佐藤先生は、身振りを交え「もっと低くできないかなぁ」と繰り返し言っていました。

冬が近づいてグランドがぬかるんでくると腰高では走れなくなって、自然に腰が低くなってきます。

当時の全国大会は1月2日が初戦。12月も中盤になるとグランドに雪が積もってきて、試合前の練習としては厳しいものがある。
そこでご縁のあった筑波大学のご好意で合宿させてもらい、雪のないグランドで10日間位練習するのが、年末の恒例。

佐藤先生は、「走りやすいからといって韋駄天走りするなよ。折角身に着いた腰低くを忘れるな!」と、毎年、言っていましたね。

理に適った「腰を低く」は、佐藤先生の専売特許ではないようにも思います。でも、佐藤先生の言葉には続きがあるのです。

「腰を低く」の後に、時々、「社会に出ても腰を低く、な!」と続きます。

単なる低姿勢ではない

一般に「腰が低い」というのは「他人に対し謙虚な態度を示すこと(新明解国語辞典)」です。「あの人は偉くなっても腰が低いねー」なんて言われる。

ラグビーで「腰を低く」するのは、強く在るため。

先生はフランクでオープンでした。決して居丈高に接することはない。
一方で、特に研究の分野では、若い頃から自分が正しいと思うことは、どんなに権威のある方にも遠慮なく発言するところがあったようですね。

先生の「社会に出ても腰を低く」は、単に威張った態度を戒めることだけではなく、色んな変化や外力に負けず対応できる強さをも意味しているように思います。
ラグビーのプレー中に必要な姿勢と同じように。

先生にとってラグビーも教育の一環。佐藤先生はグランドでも教育者でした。

 この記事の投稿者

福士宗光

父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。

健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。

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