『チャイナ・スタディ』
栄養学の分野では世界で最も尊敬され栄養学分野のアインシュタインとも言われているコリン・キャンベルという博士がいらっしゃいます。1934年生まれで現在91歳。
栄養と癌の関連が専門で、ダイオキシンやアフラトキシンといった毒物に関する研究もあるようです。
1983年から1990年にかけて中国で行われた疫学研究「チャイナ・プロジェクト」のリーダーとしても知られています。
チャイナ・プロジェクト
1970年代末、中国の首相がガンだったこともあり、治療法を解明するため中国政府は1973年から1975年まで8億8千万人を対象とした12種にわたるガン死亡率に関する調査を行なったそうです。
これをもとにキャンベル博士らが、アメリカ国立癌研究所が資金提供し、イギリスのオックスフォード大学、アメリカのコーネル大学、中国のがん研究所をはじめ様々な国家の機関が関わり行われたのが「チャイナ・プロジェクト」。
結果は驚くほど明確に、動物性食品、肉と乳製品を摂取すればするほど、病気を発症することを示したというのです。
一方、植物性の食べものを最も多く摂取していた人々は、健康で慢性の病気から免れる傾向が証明されました。
キャンベル博士らが米国政府の依頼を受けてチャイナスタディやその他の研究をもとに1982年に作成した「食習慣と健康に関するレポート」は、動物性食品の過剰摂取がガンの強力な要因となっていることを明らかにしています。
これが余りにも今までの栄養学で信じられてきたことを覆すような内容だったことや、中国の人たちのがん罹患率がアメリカと比較し驚異的に低かったため、政治的な意図もあり、このデータは多くの業界とそれに密着する政府からの圧力によって封印されたという話もあります。
現在、『葬られた「第二のマクガバン報告」』という刺激的なタイトルで翻訳本が出版されています。
第11章に健康と食べ物に関する八大原則としてその答えを紹介しています。
一言でいうとプラントベースホールフード
*Plant Base Whole Food = 植物性一物全体食
日本では古くから言い伝えられた「 一物全体・身土不二 」(季節やその土地の食材を丸ごと食すこと)と全く一緒です。
近年、炭水化物を悪として、タンパク質摂取を強調する考え方をよくみかけます。主に糖尿病の食事療法に関わる臨床研究をもとにした考え方のようです。
糖質接種を極端に少なくし、タンパク質をエネルギー源として食事をとると、カロリーが十分あっても血糖値が低く保たれるという結果。一定の条件下で血糖値についてはその通りなのだろうと思います。
しかし、より広く健康という観点から考えるとき、大規模な疫学研究の結果は軽視できないなぁと僕は思います。
ちなみにキャンベル博士は、研究結果をうけて自身と家族はベジタリアンになったそうです。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。