あらためてマクガバンレポート
マクガバンレポートは、1970 年代前半、当時のアメリカ大統領が、「アメリカの国家予算の莫大なお金を進歩したと言われるアメリカ医療に投じているにも関わらず、何故病人が増えていくのか?」という疑問を抱き、ジョージ・マクガバンを議長とする「栄養と所要量に関する上院特別委員会」 に徹底的に調査させたというもの。
マクガバンがまとめた報告は、アメリカの典型的な食事に否定的な見解を示しています。これらの食事は肉食中心で偏っており、がんや心臓病、脳卒中などの「食源病」の発症を引き起こしていると警告し、この種の疾患は薬物治療では解決できず、食事の改善が必要だと政府に勧告しました。
「私たちの食するものが肉を主体とした食べ物が癌や心疾患、脳卒中の原因であり、これらは食源病である。栄養管理をしている医師は栄養学を全く判っておらず、間違った栄養管理が治癒を遅延させているのだ。間違った食生活を改善していかない限り、アメリカは病と共に滅ぶだろう」という衝撃的な内容が含まれ、これが公表された後、マクガバンはアメリカ医学会や全米畜産協会など多くの企業団体から総バッシングを受け、政治の舞台から姿を消したという話もあります。
米国の食事目標
レポートの中で具体的に指摘された米国の食事目標は以下の通り。
- 炭水化物の比率を(全カロリーの)55-60%に増やす。
- 現在40%の脂質を30%に減らす
- 飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。
- コレステロールを1日300mgに減らす。
- 砂糖を15%に減らす。
- 塩分を3gに減らす。
その後、第二版では以下のように修正されました。
- 炭水化物の比率を(全カロリーの)55-60%に増やす。
- 現在40%の脂質を30%に減らす
- 飽和脂肪酸を10%に減らす。多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸を10%にする。
- コレステロールを1日300mgに減らす。
- 砂糖を15%に減らす。
- 塩分を3gに減らす。
全粒穀物、果物、野菜、鶏肉、魚、低脂肪乳を増やし、肉類、バター、卵、脂肪、砂糖、塩分を減らすことも報告した。報告は議論を巻き起こし、畜産業界と砂糖業界は抗議しますが、しかし、このレポートは疫学調査によるものですから、いかにマクガバンを非難したところで今まで信じてきていたアメリカの食、医療が根底から否定された事実は変わりません。
アメリカでは癌患者数は減少している
アメリカ国民も相当に衝撃を受けたといわれ、そのため、アメリカ政府は 1979 年に政策として医学以外の分野を見直すということを始めました。食材、栄養などのサプリメントや、東洋医学や他国の伝統医療や民間療法など、一般的に補間代替医療というものを国で取り組むようになったのです。
アメリカでは 1990 年を頭打ちに、癌患者数および死亡数とも減少していくというものとなっていて、これらの政策の結果ではないかとみられることもあるようです。
ちなみに日本では癌患者数死亡数とも右肩上がりで、減じることは残念ながら今まで一度もありません。
随分昔のレポートですが、現在にも十分通ずる内容なのではないか…という気がします。
※レポート内容などについては主にWikipediaを参考にしています
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。