誠実に書こう
昨年末のことです。ブログを読んだという方から、僕と話したいと会社に電話があった。
プライバシーも絡むのでここで伝えられることは限られるけど、少しだけアウトプットします。
思いもよらぬ方に届いた
僕のブログのテーマは仕事や製品やサービスのこと、ラグビーやその仲間のことなど様々ですが、一部の商品説明の内容を除くと、どれも読者の役に立つというよりは、自分の中にある感情や想い、考え方を伝えるということにとどまっています。
特定のある人を思い浮かべて書くことはあっても、誰かに影響を与えようとか、何かを変えたいとか、そいうことを思って書いている訳ではありません。
電話が取り継がれた時、どのブログを読んだかとか詳細は分からなかったので「酵素とか、断食についての質問かな?」と思って電話に出ました。健康については違う考えの方も当然たくさんいらっしゃるので、書いたことに対する反論もたまにあったりします。ちょっと身構えた気もする(笑)
話の入口は当社が作っているものではない製品についてだったので、最初は話がかみ合わず、しばらく(おそらく先方も)もどかしい感じ。そのうちに、すでに故人となったある方をテーマにしたブログに書いたエピソードについて僕と話したかったということが分かりました。
その方はブログに書いた方のお身内だったのでした。
僕が書いたエピソードを色んな経緯があって直接には知りえなかった彼女が、彼女自身が知っているエピソードと重なりあわせたり、違っていること確認したり、彼女も僕も知っている人の名前も何人か交換しました。共感が少し深まった頃、彼女の心の底の方にあったであろう言葉がポロっと出てきた。故人に対する愛のこもった恨み言とでもいうのか…。
僕もブログに書いた方の普段見ることのなかった一面に思いを馳せることにもなった30分程の電話。若干の経緯(ちなみに男女の関係とか、そういうのじゃないよ)を推察できた僕はグッと来てしまった。
「長くなってごめんなさい。こんな風に書いてくれてありがとう。」彼女は最後にそう言って電話を切りました。おそらくもうお話しする機会はないのかな。あると嬉しいのだけれど‥。
花は観手に咲く
彼女はネット環境を持っておらず、ブログは彼女の知人がプリントアウトしたものだというのも驚きでした。
全く想定していない、お会いしたことのない、それでも遠いけれど関係性のある方から電話をいただいて、僕自身としては嘘も飾りもない正直な想いで書いて本当に良かったと思いました。
誰かを思って書いたとしても結果として誰に届くかは分からない。そして読み手は、書いた側の想いにかかわらず、その方の背景に応じ、その方の観点で受け取る。当たり前だけど、誠実に書こうとあらためて思いました。上手く言えないけれど、発信することについて何か恐れるからとかネガティブな意味ではありません。僕にとって少し切なくもあり、心が温かくもなる出来事だったのです。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。