ビジョンを描く|全道経営指針委員会一泊研修会
先週の3月2日〜3日、小樽で同友会の全道経営指針委員会の一泊研修会に参加してきました。
この研修会は道内各地で持ち回りで開催されている、北海道中小企業家同友会の各支部の経営指針委員会のメンバーのためのもの。委員にとっては自社の課題の外、委員会としての課題解決のためにいわば同志と相談できる場でもあります。開催地の支部会員に対して労使見解に基づく経営指針の大切さを広める意味も大きい。ボクの中では同友会の活動の中でも最も参加したいものの1つです。
初日はちょうど道内は大荒れの天気。全道委員長の高原さんはJRも高速も一般道も閉鎖となって帯広から出ることが出来ず、TV会議システムでの参加。
(高原さんのブログはこちら)
昨年設営担当だったオホーツク支部の新鞍さんが参加されたのがむしろ驚きでした。(昨年の一泊研修会についてのブログ⇒働き方改革と『労使見解』)
10年ビジョンをどのように描くか
基調報告として、今年の設営担当のしりべし小樽支部から2人の経営者が経営実践を報告がありました。
開催地の小樽は北海道150年の歴史の中で海の玄関口として栄えた町で、歴史ある名門企業も多い土地柄。現在は人口流失が進み、人口減少や少子高齢化の、ある意味先進的事例を示す地域ともなっています。
お一人目はパンの移動販売を軸として展開される株式会社るーぶるの林社長。「家業から企業へ~一歩ずつの経営指針づくり」
移動販売のインフラをもとに高齢化が進む地元小樽で介護や買い物弱者のサポートなど、明確なビジョンのもと、設立間もない会社ですが、着実に前にすすんでいる感じでした。
一方、お二人目は、創業1920年で間もなく100周年を迎える花屋さん、有限会社山城屋生花店の山城社長。「経営理念を基に100年企業を目指す~地域に根差した企業づくり」
山城さんは、街が元気でないと自社の将来もないという観点から、小樽の冬を彩るイベント「小樽雪あかりの路」で中心的な役割を担うなど、町おこしに積極的に活動をしている。地域の活性化とともに会社の発展もあると考えている。( 小樽雪あかりの路の公式HP )
そんなお二人の報告の後のグループ討論は「10年ビジョン~10年後の地域、業界を見据えた自社の取り組み」というテーマ。
※10年ビジョンは、経営理念を追求していく過程の自社の未来像を具体的に描くものです。
ところが、10年後の地域や業界を考えると、暗いことしか思い浮かばないという人も・・・。もちろん現実は客観的に評価しなくてはいけない。例えば人口減少や少子高齢化は事実としてほぼ確実に予想できるわけで、それを現状の延長線上だけで考えると暗い未来に映ることもあるかも知れない。
ただ、10年ビジョンを描く目的を考えてみると、それは意味のないこと。
そんな議論に対して、高原全道委員長がTV会議システム越しに適切なコメントを入れてくれました。
新入社員の立場になって考えてみてください。社長に「10年後は会社の暗い姿しか思い浮かばず考えるのを止めてしまった」って言われたらどうします?
何のために経営しているのか。笑いごとで済まさないようにしなくてはいけませんね。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。