酵素はメインストリームではない?
日本は発酵食品の宝庫
生物の働きを使って製品をつくったりすることをバイオテクノロジー(Biotechnology)といいます。その中でも遺伝子組み換え技術を使うものをニューバイオ(New-bio)、そうではない、昔ながらの発酵や醸造の技術をオールドバイオ(Old-bio)といって、世界各地に様々なお酒や調味料を生み出してきました。
なかでも温暖多湿な気候、きれいな水に恵まれた日本は、オールドバイオの宝庫。伝統的に数多くの発酵食品が生活の中に根付いています。
日本酒、納豆、味噌、醤油のほか、世界一固い発酵食品と言われる鰹節、くさやや鮒寿司、飯寿司、漬物の数々。それぞれ特徴があるのですが、日本の発酵食品でメインストリームといえば「麹(こうじ)」を使ったものになると思います。
発酵食品の世界でいえば、日本は麹の国といって良いと思うのです。
ワイルドバイオ(Wild-bio)?
オールドバイオの発酵食品は、スターターといって、人の手で選抜した菌を培養して利用するのが品質管理のポイントになっています
「こうじや」と呼ばれる麹を販売する会社が今もありますし、日本酒やビールもそれぞれの特徴を持った酵母を管理して添加し発酵させます。
ところが弊社の酵素は自然発酵といって、原料由来の菌で発酵させる伝統的な方法を守っています。つまりスターターを使わない。ニューバイオどころか、オールドバイオとすら言えないのかも。僕は勝手にワイルドバイオ(Wild-bio)と言っています・笑
スターターを使った方が安定するメリットはあるのですが、製品の効果の源が明確に分かっていない以上、伝統製法を守ることが必要だと考えています。
管理は大変、大量生産をするのは難しい、メインストリームにはなりようがないのかも知れない。でも、まあ、そんな会社があっても良いかなと思います。
酵素の歴史
ここで言っている酵素というのは、いわゆる健康食品としての酵素のこと。
発酵食品ですので、製造には(微生物の持つ)酵素のチカラが利用されるところから、昔から酵素と呼ばれているのです。
野菜や果物のエキスを発酵・熟成させたもの。日本の伝統的な健康飲料で、まだサプリメントというような言葉が使われる以前から、日本で数社だけが製造してきました。
それが、ここ5年~10年程前からでしょうか。酵素の存在が随分メジャーになって、現在は、様々なメーカーが存在しています。
多くのメーカーは、当然、スターターを使って製造している。乾燥させた野草などの原料から水抽出でエキスをとって、それにスターターを添加して発酵させるという製法もあるようです。
当社の場合、フレッシュな野菜や果物から糖の浸透圧でエキスを抽出して、そのまま自然発酵させます。水は使いません。
どちらが良いとか、どちらが正統か、とか競う気はないのですが、明確な酵素の定義がないため、どちらも酵素と呼ばれる。ちょっと混乱を招くかなとは思います。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。