丸投げしてはいけない
健康の定義
「健康」という言葉は、人によって、とらえ方に幅があるかも知れません。
有名なWHO(世界保健機関)のWHO憲章前文にある健康の定義では、
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity. 「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」 (訳は官報に掲載されたもの) |
WHO憲章は健康を基本的人権の1つと宣言したもので、健康の定義も広範な内容になっています。
今の時代、完全な健康というのは、なかなか難しいかも知れませんね。
ちなみにWHOによる健康の定義は、1999年に以下のような変更が提案されたものの審議には至っていないそうです。
Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity. 「完全な肉体的(physical)、精神的(mental)、Spiritual及び社会的(social)福祉のDynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」 (出典:厚労省報道発表資料 http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1103/h0319-1_6.html ) |
政府の責任?
WHOが基本的人権の1つとした、いわば「健康権」という考え方では、
健康の前提となる条件(平和とか、衣食住や環境を整えること等)と医療の提供は政府の義務とされています。
長寿国で公衆衛生の面でも優れる日本。
一方で医療費は平成25年度に40兆円を超え(これは国家予算の半分近い規模)、経済規模に占める割合も高くなっています。
今のまま進むと、大変なことになる。
健康寿命の延伸が大きなテーマとなる所以です。
病気になってから治すより、なる前に予防する方が遥かにコストが安いということが分かってきて、
予防医学、あるいは未病を治療するという考え方も注目されています。
もちろん不幸にして大きな病気を抱えた方を社会全体でカバーすることが大切であることは言うまでもありませんが、
私たち一人ひとりの健康に対する主体的な意識が求められています。
ときには自分の身体に向き合う
医療費の内訳を疾病分類別に見てみると、循環器系の疾患(脳卒中や心臓病)と新生物(がん)で30-40%を占めています。
これは多くが生活習慣病です。
札幌でがんの統合医療に取り組むドクター 小井戸一光先生は「自分の命を医者に丸投げしてはいけない」とおっしゃっています。
生活習慣が元になっているものは、その生活習慣を変えることが根治につながる道だからです。
医療者ではない私たちは治療にかかわることはありません。しかし生活習慣は一人ひとりにかかわるもの。
健康の前提となる条件と医療の提供は社会全体として整える必要がありますが、
あわせて、当たり前のようですが、自分のできる範囲で健康に気をつかうことを心掛けたい。
自分の身体だから好きにしても良いではないか、という人もいます。
しかし、病気になったとき本人がつらいのはもちろんですが、ある意味ではそれ以上に家族は大変でしょう。
会社の同僚、更にはお客様に迷惑をかけることになるかもしれません。
小さな子どもを持つ母親は、顔色やちょっとしたしぐさ、目の輝きを見て我が子の体調を察知します。きっと愛情一杯に毎日見つめているからです。
忙しい毎日ですが、自分の身体にも、時には愛情を持って向き合うことが必要かも知れません。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。