我慢が経営のコツ?
随分(30年以上)前の話ですが、銀行を退職する際に担当先に挨拶回りをした折のこと。
その社長は当時の私と同じ32歳で経営を担い、会社を何倍にも成長させたという方でした。
「北海道に帰って父の会社を継ぐので、経営のコツを教えて欲しい。」とお願いしました。
すると「経営のコツはたったひとつ。我慢すること。それが出来れば大丈夫だ。」
「32歳というのはちょうどいい。失敗してもやり直せる年齢だ。どうしてもダメだったらウチで雇ってやるから帰ってこい」とも…。
この話を経営者の集まりなどですると、皆さん経営のコツを知りたいとみえて、身を乗り出して聞いてくださいます。そして答えが「我慢すること」と伝えると「我慢か、うーん…」と唸ります。
色んな「うーん…」な気がします。
「我慢しなくちゃいけないのか…。」「我慢するだけでいいの?」「我慢する経営って正しいの…?」
どちらかというとすぐには賛同しかねるというような‥ただ、全否定もできないというような‥
「我慢」の意味
私にとっては、大変お世話になった社長の言葉であり、人生で唯一の転職の機会でもあって、印象深く受け取り、自分の我を抑えたり社員の成長を待つといような意味で反芻しています。
ピンチでも耐え忍ぶことであったり、諦めないことであったり、待つことであったり…座右の銘ともしている「曲がり真っ直ぐ」と近いようにも捉えています。
企業は小さくとも社会の公器だとするならば、経営者の我欲が強く反映されるのはよいことではないだろう。
経営のコツというよりは、経営者の在り方、経営姿勢の話。経営者がどういう想いを持っているかは大切だとも思う。我慢だ大切だとしても経営者がイヤイヤやっているのでは会社も経営者自身も長くは持たないだろうから。
※「我慢」を調べてみると元々の由来とみられる仏教では、我儘だったり、慢心という、一般に捉えられているのとは逆の意味のようです。
かの社長はお元気だろうか。お会社のHPをみると社長のお名前はなかったが更に成長を遂げているようにみえる。
銀行を退職して30年が過ぎました。今のところ我慢できております。…ダメでも今からでは、もう雇ってはいただけませんが…
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。