賞味期限のこと
賞味期限の表示が国際的に導入されてから30年が経ちます。それ以前は製造年月日が表示されることが多かったのですが、記憶にありますか?
その後、劣化の早い食品に「消費期限」、比較的長くもつ食品には「賞味期限」が表示されるようになりました。
賞味期限と消費期限の違いについては、随分、浸透してきたように思います。
酵素の賞味期限を設定する
現在は食品の表示に関しては消費者庁に一元化されていますが、もともとJAS法に基づく表示については農林省(現在の農水省)、食品衛生法に基づく表示については厚生省(現在の厚労省)が管轄していました。
期限表示に関してはJAS法の一括表示の中のことなので農林省の北海道農政事務所という出先機関が対応していたと思うのですが、保健所から賞味期限を表示して欲しいと言われたような気も…まぁ、それはどちらでもよいのですが…。
当時、F&E酵素はビンの底に製造年月日のシールを貼っていました。会社に(農政事務所か、保健所の)担当の方がいらっしゃって「賞味期限を表示して欲しい」と。
製造年月日を表示している旨、伝えると「製造年月日を表示すること自体は問題ないが、表示するなら賞味期限にして欲しい。賞味期限を表示するルールになっているので、製造年月日が賞味期限と誤認される恐れもありますよ」と。
なるほど。製造年月日だと必ずその日を過ぎてから販売されるので「賞味期限切れてるじゃないかー!」と誤解される可能性はありますね(シールには「製造年月日」と文字はなく日付だけを印字していた)。
「5年とか10年経っても飲めるのですが、そういう賞味期限でもいいですか?」
「いや…それはちょっと…」
「皆さん、どんな感じにされるのでしょうか?」
「お会社の責任で決めていただくことですが、1年が多いのは多いですね」
そんな会話があって賞味期限を取り敢えず一年で表示することにしたのですが、今まで何年か経っても飲めると思っていたお客様はビックリしますよね。
とはいえ、表示する以上、根拠もなくてはならないと考え、保存試験(賞味期限の期間、その1.2倍、1.5倍保管したものの品質をチェックする)を継続し、現在、F&E酵素は3年の賞味期限を設定・表示しています。
これ以上長く伸ばすのは、保存試験やサンプル保存の負荷が高すぎるのと表示する意味もない気がします。
賞味期限の表示を省略する
実際、商品特性上、長期保存が可能で飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓を付けたものを除く。)は賞味期限の表示を省略してよいという法律の例外規定があり、弊社酵素はこれに該当します。
北海道の原料だけで仕込んだ『北海道酵素』はビンの中でのエイジングを楽しんで欲しいということもあって賞味期限の表示を省略しています。
F&E酵素も表示を省略しようかも思いますが、製造ロットの管理も兼ねているので当面はこのままで行こうかと思っています。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。