酵素の瓶はその後、どうなる?|ガラス瓶のリサイクル
酵素はガラス瓶じゃなきゃダメなんですか?
たまに「酵素もペットボトルにならないの?」という方がいらっしゃいます。
確かに最近目にする飲料はペットボトル入りのものが多い。でも、しっかりしているように見えるペットボトルもガス透過性があり、酵素の長期保存には向きません。
重かったり、扱いによっては破損の可能性はあるものの、酵素の容器としてはガラス瓶が一番だと思います。やはり長期保存されることの多い酒類にもガラス瓶が使われることが多いですよね。
ガラス瓶の種類
色、形、大きさ、様々なガラス瓶がありますが、使用後の処理方法でみると2つに分けられます。リターナブル瓶とワンウェイ瓶です。
リターナブル瓶
リターナブルという名の通り、再利用可能な、いわゆるリユース瓶です。かつては日本酒の一升瓶、ビール瓶などの多くがリユースされていました。昔は酒屋さんに持っていくと一本5円とか引き取ってくれて、子供のお小遣い稼ぎになったりしていましたが、最近はあまり見ませんよね。
当社でもかつては工場まで瓶をまとめて持ってきてくださるお客様もいました。ただ、衛生管理が厳しく求められる昨今、リユース瓶の洗浄工程を維持すのは中小企業ではなかなか難しい。当社の場合、お客様はきれいな状態で持って来てくださっていたので実質的な問題はなかったのですがルールは守らなくてはなりません。
リターナブル瓶は環境等を考慮して見直しされ始めていますが、重く、価格も少し高い。回収率を高めないといけませんが流通の流れが変わって回収する仕組みに難しさがあるのだと思います。
ワンウェイ瓶
弊社が使っているのはワンウェイ瓶。リユースされるリターナブル瓶に対してワンウェイ瓶はリサイクルされます(リターナブル瓶も永遠にリユースされる訳ではなく数回使われた後にリサイクルされます)。
ガラスのリサイクル率は高く、ネットで調べるとデータの取り方によるのか複数の数字がありますが、少なくとも70%以上とみてよさそうです(100%以上という記載もありました~これは新瓶が減っているということ?)。
ガラスは細かく粉砕されてカレットとなって再加工されますが、現在流通している瓶の90%以上がカレットから作られているとも言われるのです。
トータルの環境面は…
リターナブル瓶とワンウェイ瓶の環境負荷を比べると、リターナル瓶に軍配は上がると思いますが、ワンウェイ瓶もリサイクルの優等生です。
リユース、リサイクルという観点からいうと優秀なガラス瓶ですが、取り扱いのしやすさや運送のコストから缶やペットボトルに置き換わっているうえに、高いリサイクル率ゆえ全く新しい原料から作られるものが少なくなり、産業としては徐々に小さくなっています。
それでもメーカーさんは軽量化などの努力を行っていて、昨年変更した酵素の瓶では1本あたり約150gも軽量化されました。これは大きい。
トータルの環境面での評価は考慮する要因が多すぎて僕にはなんとも言えません(電気自動車とガソリン車の比較などでもよく言われることですが、作る・運搬する・廃棄する際の環境負荷についても考えなくてはなりませんので)が、内容物に対する化学的な安定性という点ではまだまだガラスが優位なので、僕個人としてはガラス瓶が見直されると良いな、と思っています。
それに、ガラス瓶って、なんだかノスタルジーを感じてしまうのです。こんな理由じゃダメかな…。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。