地域活性化の鍵|当事者は誰?
「今こそ出発点」
4月18日、北海道中小企業家同友会札幌支部東地区会(長い!笑)の総会。基調講演で北海学園大学の大貝先生のお話を聞きました。『現場から学ぶ、地域活性化の鍵はここにあり!』がテーマ。
大貝先生は中小企業論や地域経済論を専門とされて、同友会で定期的に行っている景況調査の分析を行ってくださるなど同友会との関わりも深い方。僕も何度かお話をお聞きしたことがありますが、丁寧なフィールドワークをもとに中小企業が地域社会で担う役割を評価されているように感じています。
冒頭、基調講演の前に行われた地区総会での谷越会長の挨拶にあった「今こそ出発点」という言葉を引いて、そういうお話をしたい、そんなところから始まりました。
一時間という限られた時間の中で幾つかのポイントがあったと思うのですが、僕が感じたことをお伝えします。
誰が何のために
1つは当事者は誰か?ということ。
グローバル化と産業空洞化、少子高齢化、というのは、これは確かに実際に起こっている現象なのだと思います。「2040年までに全国の市町村の半数が消滅する」と衝撃を与えた日本創成会議の「増田レポート」以降でしたか、人口を地方に留めるために「地方創生」という言葉も生まれた。
そのために企業誘致とか、移住促進とか、いわゆる「外来開発型」の様々なプランが出たけど、どれもうまく行っていないということです。
そもそも「地方創生」っていう言葉がボクはどうも受け入れられなかったんですね。だって「創生」って生み出す、創り出すってことですよね?今までのことは全部否定するのかな?って。
地方の当事者は誰なのか。施策も良くないかも知れないけれど当事者である住民やその雇用の担い手である中小企業の行動が問われていると思いました。
もう一つは、ではどういう仕組みが必要なのかということ。
分かりやすい例えでいえば、地方に大きな建物が出来るときに本当に地元にお金が落ちているのか、というような話。
外からお金を持って来て地域内で循環させることが必要なのだけれど、そのためにはどうするか。当事者である中小企業が、まずそのことを自分自身で位置づけなくてはいけない。自社だけが良ければいいという発想では、地域は豊かにならない。その結果として自社も豊かにはなれないということ。自分の会社の将来像を地域の将来像と重ねあわせること。
そのことに共感する中小企業同士がもっと繋がりを持つ、関係性を発展させる。そのなかに「新たな経済」「小さな経済」が生まれる。同友会はそのベースになりうるのではないか。そんなお話だったように思います。つながりは、本来、人と人の間にできるもの。顔の見えやすい地域内、そして中小企業の在るべき姿だとも思います。
大貝先生は中小企業の可能性を示すと共に、中小企業家の僕たちにしっかりしろ!と活を入れてくれた、そんな風に感じました。今こそ出発点。頑張りましょう!
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。