北海道で最初に電気を引いたのは納豆の研究者だった|納豆のお話
僕は納豆が大好きで、毎日のように納豆ご飯とお味噌汁のツイートをしています。
とりわけ中粒納豆が好きなのですが、豆の味が感じられる大粒の方が美味しいとか、ご飯と絡みやすい小粒がいいとか、色んな好みがありますよね。
栄養価の違いなどはあるにせよ、どのサイズであっても納豆を日常的に食べるのは健康にもとっても良いと思われます。
粒のサイズは大豆に依存する
ということで、あくまで好みの問題ですが、納豆の原料には小粒の需要が一番多いそうです。
ちなみに大粒、中粒、小粒などの規格が、納豆(加工後)ではなくて原料の大豆のサイズにあります。
粒区分 | ふるいの目の大きさ |
大粒大豆 |
直径 7.9 ㎜
北海道つるの子、光黒、岩手県・宮城県ミヤギシロメ、福井県・滋賀県他
オオツルにあっては 8.5 ㎜ 北海道タマフクラ 9.1 ㎜
|
中粒大豆 | 直径 7.3 ㎜ |
小粒大豆 | 直径 5.5 ㎜ |
極小粒大豆 | 直径 4.9 ㎜ |
農産物検査法の農産物規格規程から一部引用
ふるいにかけて残った重量の全体に占める割合が70%以上だと粒区分に合致。その中で整粒度(粒が整っているってことですね)とか、被害粒、未熟粒、異種穀粒及び異物とかによって粒区分内での等級が決まります。
元々、納豆汁がメインの食べ方だった江戸時代までは大粒・中粒をたたいて使っていた。明治以降、ご飯にかけて食べるようになってから、ご飯に絡みやすい小粒の需要が増えたということらしい。
ウィキペディアー納豆 の項を参照しました
北海道と納豆の関わり
僕の母は岡山の出身(僕も出生地は岡山県です)で、北海道に来るまで納豆を食べたことがなかった。初めて納豆を食べた際に糸を引いているといってお店にクレームをつけたという逸話があります(事実です・笑)。
北海道は納豆好きな方が多いような気もするんですよね。
都道府県別大豆の収穫量(平成28年) |
収穫量(単位:トン) |
北海道 | 82,400 |
宮 城 | 18,400 |
秋 田 | 12,700 |
佐 賀 | 12,400 |
福 岡 |
12,100 |
農水省HP 大豆関連データ集 大豆生産都道府県順位 から作成
国産大豆の都道府県別の生産量は北海道がダントツ。まあ、これは作付面積を考えると当然といえますね。
一方、どれだけ食べているかというと、
都道府県庁所在市別購入状況(平成27年) | 1世帯当たり年間の購入額(単位:円) |
福島市 | 6,153 |
前橋市 | 5,850 |
盛岡市 | 5,816 |
山形市 | 5,529 |
水戸市 | 5,226 |
農水省HP 大豆関連データ集 豆腐・納豆など大豆製品の都市別購入順位 から作成
北海道(札幌市)は、案外、上位には出てこなくて19位、3,913円でした。もっと食べようね(笑)
納豆と北海道の関わりは特段多くはなさそうにも見えますが、実は、今の納豆の製造方法を確立にあたって北海道が大きな役割を果たしています。
1918年、北海道大学農学部の半澤洵博士が納豆菌の純粋培養や容器の改良による衛生的な製法を確立。その後、全国のメーカーに直接指導したのですね。つまり納豆ご飯を安定した品質で食べられるようになったのは半澤教室のおかげ。小粒人気もここが端緒と言えるかも知れません。
僕は銀行をやめて今の発酵に関係する仕事に移ったとき、北海道大学の農学部で、半年間、聴講生として勉強させてもらいました。
その際、指導教官だった半澤先生直系の応用菌学教室の先生からお話をお聞きしています。
指導料なのか、納豆菌の代金なのか、いずれにしても半澤教室はその収入で裕福だったらしい。当時、ランプが使われていた北海道で最初に電気を引いたのがこの教室であったということです。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。