糖質問題を考えてみる
いつ頃からなのかな?糖質制限とか、低糖質という言葉を聞くようになりました。主に痩身ダイエットに関連してネット上が騒がしい。
中には糖質は悪だというような極端な論調のものも見かけます。一方で糖質制限は身体に良くないという意見も。
ネット上のダイエット情報を眺めている限りでは、7:3か、8:2で糖質制限優位という雰囲気でしょうか。
「糖質問題」はどこから
そもそもは、いわゆる痩身ダイエットの方法ではなくて、Ⅱ型糖尿病の食餌療法の議論が発端のようだ。
従来のカロリー制限食に対して、糖質制限食が提案されたことにあります。糖質を制限すれば総カロリーを制限しなくても、ヘモグロビンA1c が下がるというエビデンスが出たのですね。
※ヘモグロビンA1c:糖尿病の指標となる血液検査の数値。血糖値はタイミングによって変動するのに対して、数か月間の血糖の状況を示すものとされる。エビデンスというのは科学的は証拠。ここでは論文が科学誌に掲載されたということです。
糖質のみを制限し、高タンパク・高カロリーは許容するというのが糖質制限食の考え方。食餌療法に対する患者満足度がアップするということもあるようです。
糖質制限食が糖尿病には短期的に有用だとしても、長期的にはどうなのか、また、高タンパク・高カロリーの食事が、その他の生活習慣病につながらないか、ということが、従来の学説・定説をもとに懸念や議論があると思われます。
祭り日食症候群(まつりびしょくシンドローム)
明治以降、食の欧米化、洋食化が進みました。和食にしても、洋食にしても、様々に幅があって一様ではない。ただ、典型的なというか、特徴を捉えてみると、次のようなことが言えるのではないでしょうか。
※和食(日本食)というのは、ここでは洋食文化が入ってくる前のスタイルを指しています
・和食は、主食のコメがあって、みそ汁や漬物、そしておかずが少しずつ
・洋食は、コメのような炭水化物が主食という概念は希薄。高タンパクなおかずの何れかがメインディッシュ
コメが主食という習慣をそのままに洋食のおかずが加わって、カロリー摂取量が(当然)増えた。その結果としてのメタボということが大きいように思います。
昔から腹八分に病なしという過食を戒める諺がありますが、現代は食生活が豊かになって、かつてはお盆や年末年始にしか食べていなかったような食事が日常になっている(ボクたちはそれを祭り日食症候群と呼んでいます)。
そんな状況への対処(いわゆるダイエット)法として、Ⅱ型糖尿病のエビデンスについての議論をもとに、コメ(=炭水化物≒糖質)を減らすのか、それ以外のもの(≒脂質やタンパク質)を減らすのか、というように単純化・二極化した。そこに、やや過激な論調も見えている。。。そんな風に僕には見えています。
違うのかな?違ったらごめんなさい。
(ご参考)腹六分目
健康はバランスのなかにあると思う
短期的な治療としての糖質制限食については医療の範囲内のことなのでコメントする立場にありません。
日常の食事に関して言えば、いずれにせよ、極端なことは長期的には成り立たないと思っています。健康はバランスの中にある。そもそも恒常性(ホメオスタシス)ってそういうことですよね。偏りの中に健康は生まれない。
飽食の時代であることに間違いはないのではないかな。バランスを大きく崩さない範囲で過食を避けるということになっているのであれば、実質的には、糖質制限・低糖質というのか、低カロリーというのか、言い方だけの問題。そして現実には極端なことにはなっていないんじゃないか、そういうことだとボクは思ってますけれど。
長くなってしまったので、この先はまた折に触れて。
この記事の投稿者
福士宗光
父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。
健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。