酵素飲料の自然発酵

 

 酵素

弊社のF&E酵素は、糖浸透圧抽出法・自然発酵という方法で作っています。

糖浸透圧抽出法というのは、原料の野菜や果物を糖(当社は北海道産の甜菜糖を使っています)に漬け込んで浸透圧によって植物のエキスを引き出す方法。
そのエキスに含まれる野菜や果物に由来する微生物が糖を餌に発酵するというのが自然発酵です。

伝統製法の難しさ

伝統的な、もっといえば原始的な方法なので高度な技術が必要な訳ではありませんが、
自然に委ねるがゆえの難しさがあります。

微生物の働きは人の役に立つものを発酵、害になるものは腐敗と呼んでいます。
原料となる野菜や果物はフレッシュなうちは皆さんが洗って普通に生で食べて問題がないものですが、畑などにある訳ですから様々な微生物が付着しています。
発酵・熟成させようとする間に増えて欲しくない菌が増えると困るわけです。

糖の浸透圧で抽出されたエキスには、発酵室に入った段階では、雑菌も含めて様々な菌が存在しています。その中でまずは酵母が増えて、その後、乳酸菌などが増え、産生される有機酸によってpHが下がっていきます。エキスの水分活性や低いpHもあいまって雑菌は生存できなくなり、私たちが望むエキスになっていくのです。

自然発酵という人の手によるコントロールを加えない製法で安定して発酵するようになるのには、適切な原料の組み合わせや配合を見出し、発酵室の環境を整えることにつきます。伝統製法を守ろうとすると大本の基本的なところが確立できていないと難しい気がします。
50年近く酵素を製造してきて試行錯誤も繰り返し、最近はトラブルを起こす樽はほとんどなくなりましたが、基本的な条件を整えていても畑の土壌や環境中にたくさんの菌がいますので様々な経験もしてきました。

手作り酵素はシロップと考える

昨今はご家庭で手づくり酵素を糖浸透圧抽出法でお作りになる方もいらっしゃると聞きます。
発酵や酵素に関心を持っていただくのは嬉しいこと。

ネットで見る限り発酵期間として1.2週間となっているものが多いのですが、弊社の製法だとこれは抽出の期間であって発酵・熟成には不十分。酵素と呼ぶには私としては少々抵抗があります。

ただ、上述の通り、むしろ長く置くリスクもありますので野菜や果物のシロップとお考えになって楽しんでいただければと思います。

仕込みに使われる野菜たち。弊社の酵素は根菜類が多いのが特徴かも知れません。

 この記事の投稿者

福士宗光

父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。

健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。

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