悩ましい酵素の定義

 

 酵素

先日、ある方から酵素製造の委託の相談があり、その方のつくり方を聞いて「それは酵素とはいえないなぁ」と思わず言ってしまった。

飲料や食品としての「酵素」と、生体内で化学反応の触媒となるタンパク質である「酵素」は別のもの、と何度かブログにも書いてきました。
このことは飲料としての酵素がどうして健康の役に立つのか、について誤った説明を導くので注意が必要です。

そして昨今、もう一つの悩ましさが出てきました。
かつては国内に数社しかなかった酵素メーカーですが、15年ほど前にプチブームみたいなことがあって、現在はたくさんのブランドが存在します。
すべてをみている訳ではありませんが、表示やHPをみると様々な作り方があり、何となく植物のエキスを使っていて、メーカーが酵素だといえば酵素ということになっている感もある。もちろんちゃんと作っているメーカーさんもあります。

業界団体としては「植物エキス発酵飲料」という正式な呼び方があります。
「複数の食用植物が持っている多種類の栄養成分を乳酸菌や酵母などで発酵させたエキス発酵飲料」という定義もあり、
規格としては、有機酸度や直接還元糖、そして総酵母数(但、培養ではなく菌体数を計測する)などがあるので、糖浸透圧抽出法であることや、ある程度の発酵期間が必要ということ。

ただ、法律で決まっている訳ではなく、あくまで歴史のある有力な団体ではあるけれど、一つの業界団体の規格基準に過ぎないともいえる。
ウチのつくり方は業界団体の規格基準に沿っているけれど、それを他社さんに押し付ける訳にもいかない。

僕が思う酵素を、僕なりの酵素への想いを込めてつくっています。
納得のいかない作り方のものと一緒にされるのはちょっと嫌なんだけど仕方ない。まして、僕にとって酵素といえないものが酵素として、ウチのより売れているとちょっと悔しい…頑張ります!笑

昭和22年に発行された非売品の本。この辺りが確認できる酵素の源流となっているようだ。
旧仮名遣いなので読みにくいけど、いずれブログにも内容をアップできたらと思ってる。

 

 この記事の投稿者

福士宗光

父から継いだ酵素製造と、自身はヨガ素人ながらヨガスクール運営を行っているケルプ研究所2代目経営者。

健康は食生活や適宜の運動を通じて自分自身で築き上げるもの。酵素とヨガでお手伝いすることが使命と考えています。

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