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生酵素のお話

     - 酵素

こんなお問い合わせがありました

先日、弊社にかかってきたお問い合わせの電話。

(問)「御社の酵素が素晴らしいとお聞きしたのですが・・」
(私)「あ、そうですか。ありがとうございます!」
(問)「、、で、御社の酵素は生酵素ですか?」
(私)「ん?、あのー、すみません。生酵素って何ですか?」
(問)「え?」がっかりされた様子。

「生」の定義は難しいので、お聞きしてみると酵素活性があるかどうか、ということでした。
推測ですが、活性のある酵素が含まれる食品を摂取すれば、生体内の酵素の消費が少なくなり、身体の負担が少なくなるという理屈(違っていたらごめんなさい)。

酵素活性というのは、酵素の触媒能力の尺度とも言うべきもの。
酵素活性の単位には「単位」や「Unit」が用いられますが、単位の定義が異なれば同じ数字でも異なる活性を意味します。
単位の定義には主に酵素活性の測定条件が記載され、特に用いた基質,反応温度,反応 pH によって数字の意味は変わってきます。

酵素活性が高いほど、良いように思われるでしょうか。でも・・・。

酵素とは

酵素とは、ある化学反応を触媒するタンパク質のこと。この触媒としての能力の尺度が酵素活性です。

酵素には数えきれない程のたくさんの種類がありますが、基質特異性といって、特定の基質に対して特定の反応しかしません。
その特定の基質を触媒する能力の高さを、反応生成物の量とか基質の消費量とかで表わすのが「単位」や「Unit」といっています。
例えば、複数の酵素が混在するものの酵素活性を測った場合、低く表されることになります。あくまで特定の基質についての触媒能力を測るものだからです。
だから単位の定義に測定条件が記載される必要があるのですね。

酵素について2つ確認しておきます。

ひとつは酵素はタンパク質だということです。

タンパク質は高分子化合物といって細胞レベルのお話でいうと、結構、大きな分子。そのままで吸収されることは特殊な例を除いてありません。
消化管内に外分泌される消化酵素によって、最終的にはアミノ酸というレベルまで分解されてから吸収される。つまり酵素としては失活、タンパク質ではなくその材料の状態になってから、という感じです。

もうひとつは上にも書いた基質特異性ということ。

例えば、タンパク質を加水分解する酵素はその仕事しかしません。酸化や還元という仕事だけをする酵素もあります。ある分子からある部分を離脱させるだけの仕事もあります。
それぞれの酵素は、特定の基質に対してたったひとつの仕事しかしないから、凄くたくさんの化学反応が同時に凄いスピードで混乱なく行われる。
ですから生体内の酵素は必要となる場所で必要なタイミングで合成されています

どうでしょうか。何かおかしいですよね。

生体内にある酵素と発酵食品としての酵素

実は、最初の電話のやり取りの中で、酵素という言葉が、二つの意味で使われているのです。

ひとつは私たちの身体の中にある酵素。もうひとつは発酵食品としての酵素と呼ばれる製品。弊社でいえばF&E酵素。

植物エキス発酵飲料 F&Eシリーズ

植物エキス発酵飲料 F&Eシリーズ

F&E酵素は野菜や果物を原料とする発酵食品で、原料、そして発酵に関与する微生物にも酵素は存在しています。

発酵・熟成が進む製造過程で酵素は活発に働きます(つまり製造中は酵素活性がある)。
例えば、F&Eの中の炭水化物(糖)は、製造過程で単糖というそれ以上消化の必要のないものに酵素的に分解されています。そういう意味では生体内酵素の消費を抑えるという「生酵素」の理屈を説明することもできる。ただ、この説明は製造過程で事足りています。製品は充填時に加熱殺菌をしますので酵素は失活します(タンパク質は加熱やpHなどの条件によって立体構造が壊れて失活します。条件によっては100%ではないかも知れません)。

いずれにせよ製品中の酵素が失活しないで存在していたとしても、タンパク質である酵素は必ず分解されて(失活されて)から身体に取り込まれるので(そうじゃないと私たちの身体は保てなくなります)、製品の酵素活性の有無は、意味のない議論になってしまうのです。
また、食べ物の中の酵素がアミノ酸となって吸収されても、そのまま同じ酵素に再合成されるというより、必要な場所で必要な酵素に合成されるでしょうね。

F&E酵素の機能性を確認するヒト試験も幾つか行っていますが、すべて清涼飲料の規格基準に沿った加熱済みの製品で行っています。つまり酵素活性と製品の幾つかの機能性は、F&E酵素については関係が薄い、別の要因に由ると考えられます。

誤解の無いように付け加えますが、生を謳う酵素製品は、おそらく加熱殺菌を必要としないカテゴリーのもので、製品として問題があるという指摘をしている訳ではありません。

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